これは私が5、6歳の頃のお話です。
私は北海道生まれで北海道育ち。
私が住んでいた所は道北の方で雪が多いし超寒い…。
当時は本当にマイナス30度とかザラでした。
屋根に積もった雪がゆっくり融けて、屋根を伝ってゆっくり凍る……
そうして出来た氷柱をつららといいます。
そのつららを屋根からパキッと取って遊ぶっていうのが、当時の子供の当たり前な光景でした。
太くて長いつららを取った時の優越感というか……
今にして思えば何でそんなもん楽しかったんだろう?と思うんですが、当時の私にはとても楽しかったんです。
ただね…つららを取ろうとした子供が屋根から落ちた雪に巻き込まれるっていう事故も多くて。
だからご近所の子供達は私も含めつらら遊びは禁止されてたんです。
最初こそ「つまんな~い」ってブゥたれてましたけど、
遊び道具である雪も潤沢にあるから遊びには困らなくて、別につららじゃなくても楽しければいっか♪って
忘れてたんですけど。
ある春の晴れた日、お隣のお宅のつららが立派に成長してて…。
二階建ての高い屋根から一階のベランダにまで成長した魅惑的なつららに
私はすっかり魅了されてしまったのです。
ダメって言われてるけど、1本だけだから良いよねって自分に言い訳して、
長~いつららをパキッと根本から取った瞬間……屋根の雪が私めがけて雪崩落ちました。
鋭利なつららが私の延髄を打ち、分厚い氷の板が私の脳天を直撃、
大量の屋根の雪が私の体を完全に覆い尽くしました。
……生き埋めです。
周囲には誰もいません。
絶体絶命の大ピンチです。
重たい雪に押し潰されて、そのまま死んでもしまってもおかしくなかった。
でも、私は生きている。
わからない、死んだけど生き返ったのかも知れない。
豪雪地帯にお住まいの方ならわかるかと思いますが、屋根の雪って分厚い氷を含んでて固くて重たくて、
大人でもどかすのが大変なんです。
そんな屋根の雪に生き埋めになって身動きも出来ないのに、
5、6歳の子供がどうやってそこから出られたのでしょうか……??
どうやって生き埋め状態から脱出したのか、その時の記憶が全くないんです。
超~痛かったという記憶だけはありますw
だけど無傷だったし、後遺症もなく今も元気に生きてます。
この出来事をごく最近になって思い出しました。
記憶喪失ってことではなくて、「取り立てて凄いことでもないので思い出すこともない」
……くらいの感じで忘れていたみたいな。
けど……大人になった今、冷静に考えると凄いことだと鳥肌が立った。
死んでもおかしくない状況。
むしろ生きてる方が不思議なくらい。
でも私は怪我一つなく、後遺症もなく、生きてる。
生きてる事が既に奇跡だったんじゃないか?と。
なんで当時の私は助かったのか、それはわかりません。
生死についてまだわからず、死ぬことへの恐怖がなかったから……?
それとも人は簡単には死ねないようになっている……とか?
生死について、命の価値観については各々色々違うのでこれ以上言及はしませんけど。
そんな凄いことをずっと隠蔽してスルーして、
日々粗探ししてくだらないことに悩んでいるだけなんじゃないか?って。
そんな凄いことを起こせるくせに、
それよりも簡単な『問題』をおおごとにして騒いでるだけなんじゃないか?って。
私は今までお金を手に入れるのは大変なことだと思ってました。
だけど、命が助かったという事よりお金を手に入れる方が大変か?と考えると、
それはなんとなく即答できない。
でもきっと一律なんじゃないか?ってその時に直感がありました。
健康も恋愛もお金も人間関係も生死も、難易度とか価値の上下なんかなくて一律なんじゃないか?って。
仮定ですけどね(笑)
最後まで読んでいただき有難う御座いました。
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